ずまログ

日常/非日常の印象を徒然なるままに綴ります

短編18:1963/1982年のイパネマ娘

イパネマ娘と同じように、村上春樹作品の「僕」も歳を取らない。僕が高校生のとき、「僕」は僕よりも年上だったし、今の僕は「僕」よりも年上になってしまっている。今後は僕らの歳の差はひらく一方だ。イパネマ娘と主人公の対話のように僕も「僕」と時々会っているのだろう。暗い廊下にある結び目、いるかホテルの古いドアを彷彿とさせる。そこで「僕」は「僕」と出会うのだろうし、僕も僕に出会うことができるかも知れない。