短編27:駄目になった王国
期待が大きい程、失望もまた大きい、ということだ。
短編23:おだまき酒の夜
これもどちらかというと、奇譚の部類に入るのでは無いか。限られた文字数の中に意外と沢山のキャラクターが登場し押し合いへし合いしている。内容はぶっ飛んでいるが、僕は好きだ。あと、おだまき酒が飲んでみたくなってくる。どんなものか分からないけど。
短編22:月刊「あしか文芸」
人をおちょくっているような、冗談のような文章だが、著者特有のユーモアが感じられる。
短編21:図書館奇譚
もう一つの羊をめぐる冒険というべきか。僕はまだ子供で、羊男は大人。脱走のシーンはまるで、自分の影と協力して門番が支配する壁に囲まれた街から逃げ出そうとする物語りに似ている。
短編18:1963/1982年のイパネマ娘
イパネマ娘と同じように、村上春樹作品の「僕」も歳を取らない。僕が高校生のとき、「僕」は僕よりも年上だったし、今の僕は「僕」よりも年上になってしまっている。今後は僕らの歳の差はひらく一方だ。イパネマ娘と主人公の対話のように僕も「僕」と時々会っているのだろう。暗い廊下にある結び目、いるかホテルの古いドアを彷彿とさせる。そこで「僕」は「僕」と出会うのだろうし、僕も僕に出会うことができるかも知れない。