ずまログ

日常/非日常の印象を徒然なるままに綴ります

長編03:羊をめぐる冒険

今回読み返して感じたこと、羊三部作を僕は、本当には理解していなかったんだということだ。『ダンスダンスダンス』こそが羊三部作の続編だと捉えていたけれど(著者もそう公言しているが)、むしろ『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に深く水脈が通じている。羊は一角獣、羊飼いは門番に繋がる。壁やたまり、抜け殻のような街、世話してくれる女の子…。後年の村上春樹小説の全てが羊三部作に源を発しているといえる。ナットキングコールの「国境の南」が登場するというおまけまでついている 笑。そして、何よりジェイズバーは僕にとってかけがえのない存在だったのだということに気づかされた。何故こんな簡単なことに今まで気づかなかったのだろう。誰にも自分にとってのジェイズバーなるものが必要なのだ。ところで最近、僕はジェイズバーを見つけたのだった。今、思い出した。古くからの友人であるジェイが自分の店を開いたのだ。そして、僕はそこで僕と友人の分のビールを確かに飲んだ。