ずまログ

日常/非日常の印象を徒然なるままに綴ります

短編11:カンガルー日和

動物園に、生まれたばかりのカンガルーの赤ちゃんを見に行くカップルの話。それだけといえばそれだけなんだけど、でもそれだけじゃない。大袈裟にいえば、人生の縮図がそこには描かれている。何かをしようとすれば、それを邪魔するようなあれやこれやがあり思うようなタイミングでことを成すことができない。そのことで僕らは気を揉んだり嘆いたり、逆に心安らいだりする。はらはらする場面もあるが、赤ちゃんカンガルーが母親カンガルーのお腹の袋にいる光景は心温まる。個人的には、ミステリアスな雌カンガルーの存在が気になるところだ。