ずまログ

日常/非日常の印象を徒然なるままに綴ります

『地ごく楽』展をみて

名古屋市博物館で 真島直子さんの『地ごく楽展』を見た 。言語化以前のものを言葉で表現するのは無謀かも知れないがやってみる。

始めのうちは見てはいけないものを見ているような気になる。 それでも見ていると今度は目が離せなくなる。これは何だ?目を背けたくなるもの中には、自分が見なくてはならないものがある。
自分の内側にあるぐしゃぐしゃしたもの、ドロドロしたものを 引っ張り出してくるそのパワーに圧倒された。 それは真島さんに含まれていると同時に、おそらく僕自身にも含まれているものなのだ。
展示が進むにつれてぐしゃぐしゃドロドロしたものがヒトの様な姿になって現れる。一皮むけば人間なんて骨と血管と神経系が合わさった単なる物質だ。しかし同時に、それはぐしゃぐしゃとした、『地ごく楽』が寄り集まって出来上がったものであり、脳内麻薬が往き来することで命が息づいている。人間が生きている姿というのは、まさに地ごく楽の極地である。
始めの見てはいけない感を通りすぎると、今度はぐしゃぐしゃから出来上がったものが、醜いんだけど美しくみえてくる。

密林の女、女王、妖精…見てはいけない醜美の極地。最後は癒された感がある。

自分の『地ごく楽』を作ってみたい。